一般(特定)貨物自動車運送事業(緑ナンバー)の審査基準の変更

令和元年11月1日から、一般(特定)貨物自動車運送事業に関する各種申請・届出の審査基準が変わります。
 改正貨物自動車運送事業法のうち、規制の適正化、及び事業者が遵守すべき事項の明確化に関する部分が令和元年11月1日から施行されることに伴い、同日以降になされる申請・届出の審査基準が変わります。

 

許可の欠格事由に該当する範囲が拡充されます。
・許可の取消等の後の欠格期間が2年から5年に延長されます。
・処分逃れのため自主廃業を行った者も欠格事由に該当することとなります。
・許可を受けようとする者と密接な関係を有する者が許可の取消を受けている場合も欠格事由に該当す
 ることとなります。

 

許可申請の資金計画審査が厳格になります。
・事業の継続遂行のための経済的基礎(資金)を有していることの審査が厳格になります。
・具体的には、許可申請に係る資金計画として計上する費用のうち以下のものについて、それぞれ以下の
 とおり所要資金として計上が必要な期間が延長され、それを満たす自己資金が申請時点から継続して確
 保されていることが必要となります。

・人件費、燃料費、油脂費、修繕費2ヶ月分→ 6ヶ月分
・車両費、施設購入・使用料6ヶ月分→ 1年分

 

事業者が遵守すべき事項として、車両の任意保険について、対物200万円以上であることを新たに確認します(新規事業者・既存事業者共通)。
・車両の任意保険について、従来より確認していた対人無制限で
 あることに加え、対物200万円以上であることを新たに確認することとします。

・この基準は、事業の適確な遂行に関する遵守義務規定の新設に伴い、既存の事業者にも適用されます。

 

営業所、休憩・睡眠施設における、必要な備品等の備え付けを写真により確認します。
・営業する上で必要となる、或いは、運転手の休憩、睡眠のために必要となる備品の確認のため、申請書
 に備品の配置のわかる写真を添付していただきます。

・例えば、営業所であれば、机や電話、パソコン、コピー機などが想定されますし、点呼を行うスペース
 の確保などもあります。また、休憩・睡眠施設であれば、ソファーや布団、ベッド、給湯器などが考え
 られます。

・ただし、事業者毎に必要となる備品が相違する場合がありますので、そのような場合には、個別の判断
 を行うこととなります。また、建物が建設中などの場合には、建設後、写真を提出いただくなど、後
 日、確認を行うことになります。

 

許認可申請の法令遵守要件が厳格になります。
・許可申請や事業規模の拡大となる認可申請にあたっての法令遵守について、従来は他の法人において常
 勤の役員として一定期間内に所定の行政処分を受けていないことを要件としていましたが、改正後は常
 勤・非常勤問わず、一定期間内に役員として所定の行政処分を受けていないことが要件となります。

・上記の「一定の期間内」について、従来の「申請日前3ヶ月(悪質な違反の場合は6ヶ月)又は申請日
 以降」から「申請日前6ヶ月(悪質な違反の場合は1年間)又は申請日以降」へ延長します。

 

許認可申請において事業用施設の使用権原を確認する期間を延長します(新規・事業計画変更共通)。
・営業所、休憩・睡眠施設、自動車車庫が借入である場合に確認する契約期間を「概ね1年」から「概ね
 2年」に延長します。

・ただし、契約期間満了時に自動的に更新される条項が含まれている場合は従来どおり認められます。

 

原則として、運賃と料金とを区分して収受する旨が明確に定められている運送約款を使用することが必要となります。
・標準貨物自動車運送約款を使用せず独自の運送約款を制定し認可を受ける場合、運賃と料金とを区分し
 て収受する旨が明確に定められていることが認可基準として追加されます。(宅配便等、運送の性質上
 困難であると認められる場合を除く)

・標準約款も含め、運賃と料金とを区分して収受する旨が明確に定められている運送約款を使用するに
 は、運賃と別建てで収受する料金の届出を行っていることが必要です。

 

車庫に関しては、他の施設と明確に区分されていることを確認します。
・例えば、資材置き場等と併設されている場合などに、駐車スペースに資材が積まれており、事業用自動
 車の車庫として、実質使用できない、といったものを防ぐ目的でこれまでも提出を依頼しておりました
 が、より具体的に明文化しています。

事前届出制から認可制への変更

以下@〜Bのいずれかに該当する増車・減車が、事前届出制から認可制に変更となります。

 

@ 変更後の車両数が最低車両台数(5両)を満たさないこととなる増車・
 減車

・変更後の車両数が最低車両台数(5両)未満となる場合は、増車・減車いずれの場合であっても認可制
 となります。
 例えば変更後の営業所車両数が「5両→4両」、「4両→3両」、「3両→4両」となる増減車はいず
 れも認可制となります。(「4両→5両」であれば事前届出制となります。)

・このケースによる認可申請においては、増車・減車いずれの場合も、最低車両台数を満たすための具体
 的な計画書の添付が必要となります。

・5両未満となる減車( 「5両→4両」、「4両→3両」等)は、災害、事故、故障により車両が使用不
 能となり、代わりの車両が確保されるまでの間のものである場合に限り認められます。経営上の都合に
 よるものや、代わりの車両を確保する時期が未定のものは認められません。

・引き続き5両未満となる増車(「3両→4両」等)は、最低車両台数を満たす具体的な計画がある場合
 に限り認められます。

 

A イ〜ハのいずれかに該当する等、法令遵守が十分でないおそれがある者
 が行う増車

イ 密接関係者が許可の取消しを受け5年を経過しない者である場合
ロ 増車を行う営業所の行政処分の累積点数が12点以上である場合
ハ 増車を行う営業所について、申請日前1年間に、地方実施機関が行う巡回指導による総合評価におい
  て「E」の評価を受けている場合

・増車を行うにあたっては、上記イ〜ハのいずれかに該当する事項があるかを確認し、該当事項がある・
 ないに関わらず、所定の様式の宣誓書を増車の申請・届出に添付してください。(宣誓書の様式は各運
 輸局ホームページに掲載してあります。)

・該当事項がある場合の増車は、認可制となります。
・このケースによる増車認可申請の審査は、以下の「事業規模の拡大」に準じて行います。

 

B 当該営業所の車両数が申請日3ヶ月前時点から30%以上増加すること
 となる増車(当該3ヶ月間で増加する車両数が10両以下の場合を除く)

・増車を行おうとする営業所について、「今回増加する車両数+申請日前3ヶ月間に増加した車両数
 (※)」が申請日3ヶ月前時点の当該営業所の車両数の30%以上となる増車は、「一定の規模以上の
 増車」として認可制となります。

 ※例えば当該3ヶ月間に10両増車・5両減車している場合、申請日前3ヶ月間に増加した車両数は5
 両として計算します。

・ただし、「今回増加する車両数+申請日前3ヶ月間に増加した車両数」が10両以下である場合は「一
 定の規模以上の増車」からは除かれ、30%以上の増加となる場合であっても事前届出制となります。

・増車を行うにあたっては、認可制の増車か事前届出制の増車かの確認のため、所定の様式の宣誓書(A
 の宣誓書と共通)に上記の確認結果を記載の上、増車の申請・届出に添付してください。

・このケースによる増車認可申請の審査は、以下の「事業規模の拡大」に準じて行います。

その他

事業規模の拡大が制限されるケースが追加されます。
・事業規模の拡大となる認可申請(例:営業所の新設、車庫の拡張、一定の規模以上の増車等)が制限さ
 れるケースを、イ〜ヘのいずれかに該当する場合へ拡充されます。(イは確認期間を3ヶ月(6ヶ月)
 から6ヶ月(1年間)へ延長、ロ〜ヘは新設。)

・事業規模の拡大となる認可申請にあたっては、下記のいずれにも該当しないことを確認し、所定の様式
 の宣誓書が必要となります。

 イ 申請日前6ヶ月(悪質な違反の場合は1年間)又は申請日以降に中国運輸局管内において所定の行
  政処分を受けた

 ロ 申請日前3ヶ月間又は申請日以降に、地方実施機関が行う巡回指導による総合評価において「E」の
  評価を受けた

 ハ 申請日前3ヶ月間又は申請日以降に、当該申請に係る営業所に関して、自らの責による重大事故を
  発生させた

 ニ 申請に係る営業所を管轄する運輸支局内における全ての営業所に配置している事業用自動車につい
  て、有効な自動車検査証の交付を受けていないものがある(特別な事情がある場合を除く)

 ホ 事業報告書、事業実績報告書及び運賃・料金の届出並びにその他の報告の徴収について、届出・報
  告義務違反がある

 へ 運賃と料金とを区分して収受する旨が明確に定められている運送約款を使用していない(宅配便
  等、運送の性質上困難であると認められる場合を除く)

 

事業の休止・廃止届が事後届出制から事前届出制に変更されます。
・従来、30日以内の事後届出制であった事業の休止届及び廃止届について、30日以内の事前届出制に
 変更されます。

 

各種許認可申請の標準処理期間を1ヶ月延長されます。
・審査の拡充に伴い、各種許認可申請の標準処理期間を1ヶ月延長されます。
 (例)
    一般貨物自動車運送事業の許可             3〜4ヶ月→ 3〜5ヶ月
    一般貨物自動車運送事業の事業計画変更の認可
    (運輸支局長権限に係るもの)             1〜2ヶ月→ 1〜3ヶ月
    (その他のもの)                   1〜3ヶ月→ 1〜4ヶ月
     一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受けの認可   1〜2ヶ月→ 1〜3ヶ月
    一般貨物自動車運送事業たる法人の合併又は分割の認可  1〜2ヶ月→ 1〜3ヶ月